病院債権の時効と時効の援用について

病院債権の時効と時効の援用について

過去に親族が病院に通院などをしていたために、病院から通院費や治療費の請求書が送られてくることがあります。

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もしかしたら、その病院債権は時効になっているかもしれません。

それにもかかわらず、自分が払わなければならないと感じてしまい、通院費や治療費を支払ってしまう可能性があります。

病院債権が時効になっているということは、お客様から病院などの債権者に対して「その借金は、時効です」ということを伝えなければなりません。

病院債権は、いつになったら時効になるの?どのようにそれを証明すればよいの?について解説いたします。

  

病院債権の時効について

病院債権にも「時効」があります。

つまり、弁済期又は最後の返済から一定の期間が経過すると通院費や治療費を返さなくてもよくなる可能性があります。

病院などの債権者(貸し手)が一定の期間、治療を受けたり通院した人に通院費や治療費を請求する権利を使わずに放っておいた場合、その通院費や治療費の請求をできる権利が消滅してしまいます。

・病院などからの場合 5年で消滅します。
 ※公立病院の診療に関する債権の消滅時効期間は3年です。(民法170条1号)

 

時効の援用について

 しかし、単に5年から10年の期間が過ぎれば自動的に時効になるわけではなく、「時効の援用」ということをしなければなりません。

「時効の援用」とは、内容証明郵便で「病院に支払うべき通院費や治療費は時効となりました。」という、援用通知を債権者(病院等)に対して送り、時効を主張しなければなりません。そうしなければ、時効は成立しませんので、注意が必要です。

時効になったと思ったら早めに当事務所にご相談ください。

 

時効が成立していない場合があります(時効の中断について)

 自分では5年から10年の期間が過ぎ、借金の時効が発生していると思っても、時効中断(時効期間のリセット)があると、時効が成立していない可能性があります。

時効が中断してしまう理由として、

 

1.債務の承認

 債権者(病院)からの督促などによって、借金があることを認めてしまうと時効の利益を放棄したとみなされ、時効が中断されてしまいます。ですから、債権者(病院)が「1000円でもいいので支払って下さい・・・」と言われますが、債権者は時効の中断を狙って行っているのです。

 

2.裁判上の請求

 債権者(病院)が裁判所に提訴し、債務者(通院費や治療費を支払うべき人、もしくはその親族)に支払ってくれと、訴訟や支払い督促という形で裁判所から送られてきます。

この時点で中断になります。

しかし、裁判以外の口答や電話、ハガキ、手紙、電報などでは中断しません。内容証明郵便の場合に限っては、6ヶ月間だけ時効の中断がされます。

 

3.差押え、仮差押え、仮処分

 給料の差押えをされたような場合には時効は中断します。

時効を前に債権者(病院等)から督促が来た場合には一度ご相談ください。

時効直前に債権者(病院等)から督促が来ている場合でも、「もう少しで時効であるから、逃げ切ろう」と放置している方もいるかもしれません。

時効がくるまで逃げ切ることを助長するような情報も、ネットで出回っております。

 

しかし、当事務所では、この方法はおすすめしません。

なぜなら、時効が成立するまでの期間、色々な不利益や不自由を被ることになってしまうからです。また、病院等は様々な手法であなたに対して通院費や治療費を支払うようアプローチをしてきますので、安易に逃れることは出来ません。

 

そのような場合には、まずは一度当事務所にご相談ください。

現在の収入や支出、家計の状況を総合的に検討し、時効の援用が適応できる場合には行い、時効が成立していない場合にはあなたの生活にとって一番よい債務整理の方法を一緒に考えていきます。


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